当記事は、作品の感想を主体とした独自の考察を元に構成されていますが、一部ストーリーの展開が読み取れる「ネタバレ」部分も存在します。
作品未読の方は、十分ご注意ください。
無限城編での猗窩座との死闘をもう一度、その目に焼き付けよう!
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猗窩座の「破壊殺 羅針」は戦闘における基本技
猗窩座の血鬼術は、バラエティ豊かなことで知られている。
基本的には、狛治時代に極めた素手で戦う武術「素流」を元にしているが、そこに鬼ならではの超絶技巧が加わることで、恐ろしい血鬼術に仕上げている。
武闘家らしく、打撃技が多いが、その基本となるのが「破壊殺 羅針」である。
これは猗窩座の闘いにおける「始まりの技」だ。
片手を前に突き出し、もう片方の手は後ろへ。
両足を前後に大きく開いて腰を落とし、陣を張り、領域を展開する。
琉球空手の型のような姿勢から、妻である恋雪を思わせる雪結晶模様の領域が現れ、闘いが始まる。
「破壊殺 羅針」はいわゆるレーダー技である。
この領域を展開することにより、敵の闘気を察知し、敵の位置を正確に把握すると同時に、次の動き、攻撃、技など様々な情報を瞬時に読み取っているものと思われる。
例えば、炭治郎は鼻(匂い)で、我妻善逸は耳(音)で、嘴平伊之助は肌感覚(野生の勘)で、そういった情報を得ている。
武芸の達人ともなれば、そういった「レーダー技の一つや二つ」身につけていて当然ということだろう。
猗窩座の「破壊殺 羅針」は生身の体に埋め込まれたスカウターである。
鳥山明氏の名作「ドラゴンボール」。
ジャンプで連載された言わば鬼滅の刃の大先輩にあたるバトルマンガである。
この中にも、「破壊殺 羅針」と同じ機能を持った技術と道具が登場する。
ドラゴンボールの世界では、戦うものが放つ闘気のことを「気」と呼ぶ。
悟空たちはこの「気」の強さや流れを読むことで、相手の力量や位置などを把握することができる。
これはある種、地球特有の技術のようで、サイヤ人やフリーザのような宇宙人は、基本的に気を扱うことができない。
その代わり、彼らが戦闘員の「闘気」を探るために作った道具がスカウターである。
少年時代、誰もが「一度つけてみてー」と思った、スマートグラスのような装置。
片耳・片目だけを覆うというところがなんとも男心をそそるアイテムだ。
このスカウター、サイヤ人やフリーザらは当たり前のように使っているのだが、基本的には相手の「戦闘力」を数値化出来るという機能がある。
他にも通信機器としての使い方もできるのだが、今回重要なのは「相手の闘気を戦闘力として通知化できる」ということにある。
一見便利なようではあるが、悟空たちのように気を出す量を調節できる種族と戦った際、フリーザたちはスカウターの数値に一喜一憂させられるという失態を演じている。
スカウターの数値こそ絶対と思っていると、足元をすくわれてしまうということだ。
それと同じことが、猗窩座と竈門炭治郎の「無限城決戦」においても起こった。
「破壊殺 羅針」によって、炭治郎の強さを見定めた猗窩座は、炭治郎と冨岡義勇を持ってしても、自分は倒せないだろうという推測をする。
この二人と戦っていた間、猗窩座は終始、余裕だったわけだ。
しかし、「透き通る世界」を見ることに成功した炭治郎は、自らの闘気を無にすることで、「破壊殺 羅針」の探知から逃れ、猗窩座を凌駕するスピードによって、その首を斬り落とした。
猗窩座「破壊殺 羅針」の敗北は「戦闘とつい楽しんでしまう」その性格にあり
策士、策におぼれる。
「破壊殺 羅針」という優れた血鬼術に頼ってしまったばかりに、炭治郎の真の実力、アザものとしての覚醒に気がつけなかった猗窩座は、勝負を落とすことになる。
猗窩座は「戦うこと」を楽しむあまり、どうしても戦闘を長引かせてしまう傾向にある。
必勝必殺の構えで、炭治郎・義勇を一人ずつ倒していったなら、二人に活路を与えることはなかったかもしれない。
それだけ、「破壊殺 羅針」を始めとする猗窩座の血鬼術は、強いといこうことになるだろう。
